元プロ野球選手のイチローさんは、必要以上の筋トレをしませんでした。

理由としては、カラダの感覚が鈍ったり、バランスが崩れて打てなくなるからだそうです。

しかし、現在メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手は、ウエイトトレーニングに励み、どんどんカラダを大きくしています。

同じトップアスリートでも、それぞれ考え方が違うものですね。

これは

どちらが正しくて、どちらが間違っている

という訳ではありません。

言ってみれば、どちらも本人にとって正解です。

大谷選手の場合、ウエイトでカラダを大きくする事で

パワーが増す

事を期待していると思います。

パワーを上げる為には、やはり体重が重要です。

体重×スピード

で、基本的にはパワーが決まってくるからです。

その際、筋肉量での体重増加であれば、筋力が上がるのでカラダが重く感じませんが、単に脂肪で体重が増えた場合、動きが鈍くなってしまいます。

なので、筋肉として体重を増加したいのだと思います。

プロボクシングの世界では1階級(2キロ前後)違えばパンチ力が全然違います。

軽量級でもハードパンチャーはいますが、ベビー級のボクサーのパンチ力にはパワーでは勝てません。

体重が多いと言うことは、それだけ有利になると言うことです。

では、具体的に筋トレの弊害とは何なのでしょうか?

先ず一つに

高重量のトレーニングは、どうしても体幹を安定させる必要がある為、体幹の筋肉が動きとして硬くなりやすいという事。

次に、高重量のトレーニングはウエイトを降ろす動作でブレーキをかける必要がある為、筋肉の脱力が出来ず、実際の動きでも必要以上に筋肉でブレーキをかけてしまい動作が遅くなる可能性があるという事。

そして、筋肉はその動作でアクセルの役割の筋肉とブレーキの役割の筋肉があり、高重量のトレーニングは両方の筋肉が同時に働いてしまいます。それは、、アクセルを踏みながらブレーキを踏んでいるようなものです。

また、必要以上に腕の筋肉を鍛えるとスポーツ動作でも腕に頼った使い方になってしまいやすいというのもあります。

（スポーツにもよりますが、球技等では下半身で生み出したエネルギーを体幹を通して腕に伝える事が多い。腕は道具として使うだけで、むしろ余分な力を入れないでムチのように使う）

そしてもう一つ、大事なこととして、どうしても高重量トレーニングは骨盤を安定させる必要がある為、骨盤の高速移動、高速回転が出来ない事があります。

球技のボールを投げる、打つなどの動きや、格闘技のパンチやキックなど、骨盤が高速で回転します。

この、骨盤の移動こそがスポーツ動作で言う
”体重が乗る”という事です。

また、イチローさんの言うように、
筋トレでも特に単関節トレーニングで筋肉をパーツごとに鍛えると筋肉のバランスが崩れてケガをしやすくなってしまう事もあります。

ここまで読むと、
筋トレが良くないと思われたかもしれませんが、あくまでシビアに考えての話。
（特に高重量トレーニングの場合です）
トップアスリートを目指す人は押さえておきたいポイントではありますが、一般的には筋トレには多くのメリットがあります。

大事なのはパフォーマンスアップのトレーニングと体を大きくする目的のトレーニングは違うということです。

では、パフォーマンスを上げるために行うのであれば、どのような意識、どのようなトレーニングが有効なのでしょう？