スポーツ動作は上から動かすか?
下から動かすか?②

次に
体が開くのはどういう時でしょうか?

開くという状態は
下半身から動かす場合に起こります。

先ずは
下半身から動かす場合の特徴として
右足から左足
もしくは
左足から右足
に
体重移動がしやすくなります。
ただ、
大きく踏み込み過ぎると
腰を回しにくくなります。

スイング動作などで
下半身の動きが先にある場合、それによってウエストに捻られ、
遅れて上半身が付いて来る。
この時に、
ウエスト周りが伸ばされると同時に
胸の筋肉も伸ばされる為
体が開くという状態になりやすくなります。

これは
上半身から回転動作を始める場合は起こりにくいです。
（基本的に足が地面に付いていて固定されている為）

下半身から動かす場合
伸ばされた筋肉が急激に縮む
”伸張反射”
が起こりやすいのですが
通常の筋収縮よりも
素早く収縮するので、スポーツでも大切です。

しかし、動きに時間差がでる為、
スイング動作の場合はインパクトの瞬間をキッチリ合わせるのが難しくなります。
ボクシングなどのパンチング動作の場合は、
下半身の力を上半身に伝える事は大切ではありますが、
下半身からの意識が強すぎると
この伸張反射が起こり、
遅れて上半身が付いてくる頃には
相手にパンチが飛んで来ることがバレてしまい、
簡単に避けられてしまう事も。
しかし、フックのような回転系のパンチの場合、
下半身からの動きから遅れて上半身が付いてくる事で胸が開き、
それと同時に肩甲骨が内側に寄る為、体幹と腕を一体化させながらパンチを打つ事も可能です。

また
上半身から、下半身から
と考える上で大切なのが
スポーツそれぞれの道具です。

例えば
ゴルフのクラブなどは
野球のバットと違い
道具自体がしなります。

これは筋肉の伸張反射と同じです。
伸ばされてから、遅れて付いてくる
動きです。
ですので、
下半身からつられて上半身
そして上半身からクラブのヘッドへ
と2段階の時間差が生まれます。

また手首の切り返しの動きは
伸張反射で胸が伸ばされている間はやりにくくなります。
背中の筋肉が収縮していると手首が固定される為です。

また
骨盤を回す事だけを考えた場合

沈み込む動きより
伸び上がる方が両足が重力から開放される為、回しやすくなります。
この場合は下半身からの動きになります。

骨盤の回転が大事な動きの場合
突っ込み過ぎは体重移動で体重は乗っても
骨盤の回転が遅れたり
沈み込む動きになる為
回転量が落ちやすいです。

これらの点から

上半身から動かすのか
下半身から動かすのか

（もちろん、全身を強調させる事が大事なので、全て同時に動かすのか）

を考えて見る事も大事です。

タイミング合わせが大事なスポーツにおいて
動かす順番の意識でも動きは全然違ったものになります。